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Laurent "Gro" Billard

(ローラン・「グロ」・ビヤール)

Le Chevet

(ル・シュヴェ)

 ローラン・ビヤール氏に付けられたあだ名は「グロ」。フランス語で「大きい」または愛称で「野郎」という意味でもある。
確かに、彼に初めて会った印象は、「冬眠から目覚めたばかりの機嫌の悪そうなクマ」といったところだろうか。シャイでむすっとした顔、ゴツい手と全体的に分厚い体からは、ワイルドなオーラがにじみ出ている。彼の前に並んでいるワインのラベルも、非常にシンプルで無骨。その時の試飲会で友人に勧められなかったら、素通りしていたかもしれない。
しかし蓋を開けてみると、彼は実に「優しくおしゃべりなクマさん」だった。彼のワインも、口に入れた時パワフルでとっつきにくいのかと思いきや、次の瞬間、なんとも滋味深くエレガントな液体に変化するではないか。シンプルだが味わい深く、濃いけれど繊細。人でたとえるなら、少し不器用だけど愛らしい感じ。そう、まるでローランそのままのようなワイン


 そういう彼はもともと、ワインとは全く無縁の自動車整備士として働き、筋金入りのバイク乗りでもあった。バイクレースに出場する資金を準備するため、工場に勤めたり、住宅リフォーム工事をいくつも請け負ったり、お金を貯めては全てバイクに費やしてきた。しかし、あまりにも費用が掛かるため最終的にレースを離れた彼は、ブルゴーニュ西部にある緑豊かな県立公園ル・モルヴァン内にあるアヴァロン市に落ち着く。
そんなある日、チーズとワインのお店をやっていた親友の影響で、ナチュラルワインに出会う。


なぜグロがナチュラルワインに惚れたかって?
「そりゃ、俺はプラグマティック(実利的)な吞兵衛だからな。ナチュラルワインは平日に死ぬほど飲んでも、翌日二日酔いにならずしっかり働けるからさ」と真剣に答える。真面目なのか、真面目ではないのか…しかしシンプルでわかりやすい。
※健康に末永くお酒を楽しむために、適正飲酒を心がけましょう。
 

 そして数々の職をこなしてきたグロは、2009年ついにワイン造りの世界に足を踏み入れる。その年の収穫からブルゴーニュ・ヴェズレー、今はなきドメーヌ・パスカル・ブリュレーに勤め始める。そこは自然派ワイナリーではなかったが、規模も小さく色々な作業に携われたことは、グロにとって貴重な経験となった。醸造にハマった彼はそれにとどまらず、2012年からはノルマンディーのリンゴを自分で仕入れて自家製シードルを造り始める2014年からは、「グラピヤージュ」という生産者があえて畑に取り残したぶどうの残果などを仲間と一緒に収穫して、自家消費用の「ガレージ・シャブリワイン」も造った。
ナチュラルワイン好きの縁から、グロの自家製シードルのファンだった同じアヴァロン市内の自然派ワイン大御所ネゴシアン(*1)、ニコラ・ヴォ―ティエ氏(ドメーヌ・ヴィニ・ヴィティ・ヴィンチ)に気に入られたグロは、2015年、二コラ氏のもとで醸造や収穫の手伝いをさせてもらうことになる。
そこで初めてグロは、ネゴス(*2)という存在を知る。グロはすぐに行動に移し、同年ネゴスの会社を創立する。ワイナリー・ル・シュヴェの誕生だ。
 そしてついに、2016年、グロの正式ファーストヴィンテージができる。造ったのはタヴェルのサンソーとボジョレーのガメイの2キュヴェを少量ずつ。
グロがニコラ氏を手伝う代わりに、ヴィニ・ヴィティ・ヴィンチのセラーや醸造道具を自由に使えるという。二人は同じ生産者からぶどうを買うこともあって、共に現地に足を運び収穫して、そのぶどうをブルゴーニュまで持ち帰りそれぞれのワインを造るほどの仲だ。

(*1:ネゴシアンとは、ネゴスを行う生産者 *2:ネゴスとは、他者から買ったぶどうでワインを造り、販売すること)

さて、グロのワイン・フィロソフィーとは?
 ネゴシアンとはいえ、グロのワイン造りの基本はやはり畑から。まず大事なのは信頼できるオーガニック栽培の生産者から、高品質なぶどうを買うことだ。
そして自然派ワインの祖と称えられるジュール・シュヴェ博士の教えに従い、しっかり成熟した健全なぶどうだけを収穫することを念頭に置いている。だからグロは収穫時に畑で厳しい選果を行う。
醸造では、ぶどうに自然に付着している、あるいはセラーに存在する天然酵母と天然乳酸菌のみで発酵を行う。人工の菌を一切使用しない。清澄も濾過も行わない。ワインの状態からどうしても微量の亜硫酸を添加せざるを得ない場合を除いては、一切の添加物を使用しない。彼は原材料ぶどう100%のワインを造っている
。(※亜硫酸が入っている場合は裏ラベルに表示しております)
 

グロの“ワクワクする未来”のプロジェクト
 ワイン造りを始めて僅か数年、ゆったりとした性格でありながら、グロはすでに次のステップを目指している
それは、今年2022年にアヴァロン市を出て、自然豊かなモルヴァン県立公園のさらなる奥地で農場を設立すること。そしてそこで、2ヘクタールほど自分のぶどうを植えること!
彼は将来の農場となる場所の写真を見せながら、とても楽しそうに、きらきらした瞳で語ってくれた。
 モルヴァンは丘、湖、森が多く、ブルゴーニュとはいえどぶどう畑はほとんどない。それは独特な気候や地形によって冷気や湿気が多く、ぶどうの栽培には向いていないと言われているからだ。それでもグロは何一つ動じずにやり遂げるつもり
土壌は花崗岩質。まだ検討中だが、品種はガメイ、シラー、シュナン、ソーヴィニヨンと考えている。2024年にぶどうの苗を植えて、うまくいけば3年目には収穫ができるので、2026年ヴィンテージがこの農場の最初のワインになる
大量生産のモノカルチャーや温暖化の問題が取りざたされる今、かえってこのような生物多様性が豊かで冷涼なテロワールでワイン造りに挑むのは、とても理にかなっている気がする
そしてそれ以上に、この「自然美しいモルヴァン県立公園で育ったぶどう」から造られる、初めてであろうナチュラルワインが個人的にはとてつもなく楽しみだ。自社農場のワインができるまでは、グロはネゴスを続けながら、ゆっくりと未来のプロジェクトに繋がるおいしいワインを皆様に届け続ける予定


そう、彼はマイペースで優しい、ワインが好きでたまらない、バイク乗りの生産者なのだ。
 

 

ドメーヌ情報

「ル・シュヴェ」

会社名を商工会に登録する時に、グロがその場で適当に付けた名前。フランス語で「枕元」という意味。その理由は、「ナチュラルワインはだいたいフレッシュでのど越しがいいから、夜寝る前や朝寝起きに水分補給の代わりに軽く飲めるからな。俺のワインも枕元におけるようなワインだよ」という意味らしい。 ※健康に末永くお酒を楽しむために、適正飲酒を心がけましょう…
 ・ブルゴーニュ地方アヴァロン市

 ・ネゴシアン

 ・ファーストヴィンテージ:2016年
 ・年間生産量:約8,000から10,000本

 

​ワイン

・グロナッシュ2018年(Gronache 2018) :「グロ」とグルナッシュを融合してできた銘柄

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・ネゴスワイン

・2018年:とても暑く、乾燥した年。健全で果実味豊かなぶどうが収穫できた
・品種:グルナッシュ100%、・アルコール度数:12.5%

・ぶどう生産者:南仏、ル・ギャール県ダヴィッド・テシエ氏

​・栽培方法:オーガニック栽培、・土壌:粘土石灰質土壌

・ぶどう畑と栽培の特徴:樹齢30~40年、自分の収穫チームで手摘み、収穫時に畑で厳しく選果

・全房、マセラション・カルボニック20日間、2018年は水分不足のに影響でグルナッシュの皮は厚く、タンク内で潰れにくくフリーランジュースが少ない年

・マセラシオンの開始時に二酸化炭素でタンクを密閉する

・ルモンタージュは必要でなければ行わない

・醸造前にぶどうブドウは冷やさず、マセラシオン中は温度調節なし

・天然酵母でアルコール発酵、天然乳酸菌で乳酸発酵

・合計18ヶ月間熟成:12ヶ月間の樫の木の古樽で熟成した後からの、6ヶ月間タンクで融合熟成

・清澄なし、濾過なし、添加物なし、亜硫酸なし

・グロラー2018年(Grorah 2018) :「グロ」とシラーを融合してできた銘柄

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・ネゴスワイン

・2018年:とても暑く、乾燥した年。健全で果実味豊かなぶどうが収穫できた。

・品種:シラー100%、・アルコール度数:12.5%

・ぶどう生産者:南仏、ル・ギャール県のぶどう、生産者はダヴィッド・テシエ氏

・栽培方法:オーガニック栽培

・土壌:粘土石灰質土壌

・ぶどう畑と栽培の特徴:樹齢約40年、自分の収穫チームで手摘み、収穫時に畑で厳しく選果

・全房、マセラション・セミ・カルボニック20日間、タンクの底にフリーランジュースを放置

・マセラシオンの開始時に二酸化炭素でタンクを密閉    

・ルモンタージュは必要でなければ行わない

・醸造前にぶどうは冷やさず、マセラシオン中は温度調節なし

・天然酵母でアルコール発酵、天然乳酸菌で乳酸発酵

・合計18ヶ月間熟成:12ヶ月間の樫の木の古樽で熟成した後、6ヶ月間タンクで融合熟成

・清澄なし、濾過なし、添加物なし、亜硫酸なし

※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。20歳以上であることが確認できない場合には、酒類を販売できません。
※妊娠中、授乳期の飲酒は、胎児、乳児の発育に悪影響を与える恐れがあります。
※飲酒運転は法律で禁じられています。
※健康に末永くお酒を楽しむために、適正飲酒を心がけましょう。