「リポぺ」とはちょっと前のパリのビストロで、飲み残ったワインをすべてひとつの入れ物に混ぜて、それを翌朝吞兵衛たちに出していたワインのことです。それはいいワインとは言えないが発音がかわいらしいこと、このキュヴェは同じ畑で混栽培された赤ぶどうのガメイと白ぶどうのアリゴテ・ドレがブレンドされた「混ざりワイン」なので、この銘柄に。
まだラ・コートレットが存在しない2018年、ブノワがギーさんの畑を手に入れて初めて造ったキュヴェ。当時まだ疲れ果ていた畑にやっと生ったぶどうを、鳥がほとんど食べつくしてしまう。それはまともにキュヴェが造れない収穫量だった。そこで思いついたのが、赤も白も、すべての品種を全部混ぜてしまうこと! 初キュヴェはピノ・ノワールにアリゴテ、ムロン、シャルドネのブレンドだったが、今はキュヴェ・メリゴテと同じ畑の、一部自根で植えられたアリゴテとガメイのブレンドだ。人が飲み残したワインではないが、鳥たちが食べ残したぶどうを集めて混ぜるという意味でリポぺだ!
ラ・リポぺ2020年(La Ripopée2020)
・品種:ガメイ 50%、アリゴテ・ドレ50%、 ・アルコール度数:11.8
・栽培方法:オーガニック栽培とビオディナミ農法
・畑の場所:オヴィラール・シュール・ソーヌ村
・土壌:シルト多めの粘土石灰質。森に囲まれた冷涼なテロワール
・樹齢:約30年、ギーさんが植えた樹
・特徴:ガメイとアリゴテはキュヴェ・メリゴテと同じ畑。約3分の2が「フラン・ピエ=自根」で植えられた畑。ここの土壌はシルトが多く、もしかしたらフィロキセラが嫌がる環境なのではないかとギーさんは考えた。今のところぶどうの樹は健全
・収穫方法:手摘み収穫、収穫時に畑で選果
・アリゴテのダイレクト・プレスの果汁にガメイとアリゴテの全房を9日間漬ける。破砕なし
・天然酵母でアルコール発酵、天然乳酸菌で乳酸発酵
・醸造中温度調節なし
・3HIの木製垂直型プレス機で手動圧搾
・プレス後、2013年の古樽でアルコール発酵の仕上げを行い、そのまま熟成
・熟成期間:オークの古樽で6ヶ月間
・ボトリング:2021年3月末
・清澄なし、濾過なし、添加物なし、亜硫酸なし